知的財産法 後期第14回
効果確認試験の解説をします。
Aは成蹊大学を卒業したのち、デザイン志向の強いベンチャー家電メーカーに就職
した。
配属先は、知的財産部であった。入社式で同期のBと仲良くなった。Bは商品開発
部のデザイナーである。商品開発部では新しい家電を開発することとした。
デザイナーのBは、この企画にあたり、ピタゴラスの定理を思い出し、直角二等辺
三角形をモチーフとしたデザインの冷蔵庫と洗濯機を開発することとした。
他の図形として、円と正方形の窓を有する家電はすでに知られている。
冷蔵庫、洗濯機、いずれも、直角二等辺三角形の窓を作り、内部が見えるようになっ
ている。
このデザインの家電を販売するにあたり、ネーミングとしては、ピタゴラスとする
こととし、標章としては、直角二等辺三角形の図形の中にピタゴラスという文字を
付したロゴにすることにした。
商品区分としては、冷蔵庫は11類、洗濯機は7類である。
すでに、ソニック社が「ピタゴラ装置」という名前の家電につき、11類で商標登
録出願をしていた。
また、ソニック社は、7類で「デルタ」という登録商標をすでに洗濯機につき保有
していた。
デザイナーBは、この商品の開発にあたり、知財戦略として、どうすれば良いか、
Aに相談に来た。
Aは、Bに対し、上記デザインの冷蔵庫と洗濯機につき意匠登録を勧めたが、Bは
すでによく知られた直角二等辺三角形の図形を使っただけだから、登録できるのか
と質問してきた。
また、直角二等辺三角形の図形の中にピタゴラスという文字を付したロゴの商標登
録の可能性についても質問してきた。
さらに、他に保護の手段はあるのかとも聞いてきた。
問1上記デザインのよく知られた直角二等辺三角形の図形を使った冷蔵庫と洗濯機
の意匠登録の可能性につき論じなさい。
ポイント:A開発の冷蔵庫と洗濯機
意匠:直角二等辺三角形をモチーフとしたデザイン
冷蔵庫、洗濯機、いずれも、直角二等辺三角形の窓を作り、内部が見えるようになっ
ている。
ポイント:他の図形として、円と正方形の窓を有する家電はすでに知られている。
意匠法で新規性:創作容易性を検討
https://gyazo.com/e4040dbc248027cfcf6db347094b8539
こんな洗濯機だったらどうでしょう
https://gyazo.com/e49e05c267e2720fd2fcce5a75c187d0
問2直角二等辺三角形の図形の中にピタゴラスという文字を付したロゴの商標登録
出願を11類と7類を指定して出願した場合、その登録可能性を論じなさい。
A開発の冷蔵庫と洗濯機のネーミングとしては、ピタゴラスとする
標章としては、直角二等辺三角形の図形の中にピタゴラスという文字を付したロゴ
にすることにした。
商品区分としては、冷蔵庫は11類、洗濯機は7類である。
すでに、ソニック社が「ピタゴラ装置」という名前の家電につき、11類で商標登
録出願をしていた。
また、ソニック社は、7類で「デルタ」という登録商標をすでに洗濯機につき保有
していた。
https://gyazo.com/6f8b9af6990e7cc5b211b450110d99c3
歴史上の人物名等の商標審査の方向性
問3 上記以外に他の保護手段の可能性について論じなさい。
回答には関係する条文を記載すること。記載ない場合評価は下がる。
不正競争防止法他による保護の可能性について
著作権法、特許法に言及した方もいますが、授業の範囲での回答を予定しているの
で、そこまでは予定していません。ただ、加点はします。